体が温まると心も温まる？

先日の投稿でお話したこと。もうちょっと深掘りしてみたいと思います。

仏教の教えで「身心一如」という言葉があるのですが、

これは体と心は分けることのできない一体のものであって、

一つのものの両面に過ぎないという考えです。

なぜ体が温まると心も温まるのか？

これについては

私が通ったアロマの学校で講師としてお世話になった、

山口創先生が出版した

「手の治癒力」で興味深い記述があります。

先生は身体心理学について造詣が深く、

皮膚感覚について深く掘り下げて

研究なさっておられます。

身体心理学は

まさに身心一如と同様に

心と体はひとつとして見る心理学。

まずは体を整えることで

心を整えていくという考えを持っています。

触れること(タッチ)によって得られた皮膚感覚が、心の状態にどう影響を与えるのか。

山口先生の著書によると

大脳の「島皮質」という部分は

身体的な温かさと心の温かさの両方に関与しているのだそうです。

つまり、身体的な温かさを感じると「島皮質」が興奮し

そのときの興奮が心理的な温かさも高めることが

アメリカで行われた実験で明らかになったのです。(2008年)

身体に与えられた影響が、心にも影響を与えるというのは実に不思議ですが、

なるほど、とも思うのです。

コロナ禍で、私たちは文字通り

さまざまな「触れ合い」を我慢せざるを得なくなりました。

経済的に打撃を受けたり孤立を深めたりして

精神的に追い詰められた人も少なくなく、

特に女性の自殺率の増加は看過できません。

2020年度では前年比の15%増加となっています。

「触れ合う」ことの重要性は

私たちの身体が普段認識している以上に

大きいのだと、強く感じています。